院長のひとこと
12月になり、当院がオープンして早いもので10ヵ月たちました。病院勤務時代よりも患者さんとより近く接してる感じがします。私の好きな言葉ですが、「町のお医者さん」といわれるようになりたいと思っています。さて、「なにか、書かねば!!」と思い立ち、パソコンを前にしたものの、ブログなんて書いたことないし、国会議員や芸能人がしているTwitterもわからないし、、、
やっぱり年寄りにはむずかしい。実は、日記さえも書いたことがないのです。
長年務めた病院を退職する時、送別会で素敵なプレゼントを頂きました。似顔絵の専門家に描いてもらった「私の顔」です。専門家だけあって、私の特徴をうまく表現しているようです。ホームページの別のところに載せていますので、ごらんください。
大震災、お産
最近思うことについて書きます。少子化が問題にされて久しくなりますが、長びく不
況や若者が自分の時間を持ちたいということ、などから全国的に少産少子化傾向にあ
ります。
それに加えてこのたびの東日本大震災です。震災から約4カ月、今現在およ
そ2万5000人の亡くなった方・行方不明の方と報道されています。、テレビで見る
だけでも、その悲惨さは大変なものです。まさに未曾有の大災害です。奥さんを亡く
された男性がテレビで言っていました。「1000年に一度の大災害っていうけど、なんで俺の時代なんだ」
って。私の身内でも被災者、いまだに消息不明の人がいます。いつの時代、どこに起きても不幸なことですが、
当事者の方にとっては悔しさ・無念さは計り知れないものと思います。
当院でも、地震の当日、地震の直後にお産された方がいました。揺れる分娩台をおさ
えながら「心配ないよ」と言うことしかできない私でしたが、妊婦さんはお産に集中
し立派にお産しました。本当に「母は強い」と実感しました。建物や機械の被害は軽
度でしたが、停電・断水で赤ちゃんの調乳用の水、粉ミルク、紙おむつ、薬品などの
不足はありました。ただ、岩手・宮城・福島の方々の困難さに比べれば、「なんだ、
これくらい」です。
震災後の、東日本のお産ができる施設の数がある資料に出ていました。それぞれの県
によって事情は違いますが、わが秋田県は決して多くはありません。でも、そういう
中で産婦人科の医者同士がしっかりと連携をとりつつ頑張っていますのでご安心くだ
さい。
当院にも、福島県や宮城県から避難して来られた妊婦さんが来られます。妊娠の初期
の方やかなりお腹が大きくなった方、妊婦さんでなくても、ストレスで体調不良の方
もいます。診察をしながら、被災の状況を伺うだけで涙が出そうになります。私に
とって、福島・宮城・岩手は、それぞれ10年前後過ごした「第2のふるさと」のよう
なところですので、身につまされるものがあります。悲しい、つらいニュースばかり
ですが、産婦人科の医者をしていて、赤ちゃんの誕生に立ちあわさせていただくと、
出産されたご夫婦だけでなく、医者や看護師・助産師スタッフまで「よろこび・感
動」をいただきます。赤ちゃんは、究極の「いやし」です。
数日後、無事に出産、退院していきました。
院長のひとこと
早いもので今は2024年3月です。
夜中のお産で24時間働いていましたが、体力的に大変となり2024年2月末でお産を終了とさせて頂きました。
今は外来診察だけとなり、以前に比べれば随分楽になりました。その分、近くの大曲厚生医療センターさんに負担をかけて申し訳なく思っております。
これからは第2、第3の人生をゆっくり過ごしたいと思います。
入院はやめましたが、うちのスタッフ達が入院病棟を使って産後ケアを始めています。
産後ケアについては、秋田県南に数える程しかないそうですのでご利用してくださるようお願いいたします。
産前産後ケアハウス poco a poco